24歳でがんになった。~Return Match~

24歳にして突然の上咽頭癌ステージ4の宣告。その時私は〝がん患者〟になった。

導入化学療法開始

2019/11/08、導入化学療法開始。

 

そのがん専門病院には大きな通院治療センターがあり、一日150〜250名ほどの患者さんが通院で抗癌剤治療を行っていた。QOLを維持する(これまでの生活を出来るだけ維持する)為に、通院での治療を積極的に行っているというこの病院。

ここに来ていなければ一見、癌患者とは思えないような人ばかりだ。

ヘルメットを担いで明らかに寒い中バイクで来てる人、この後も仕事なのか待ち時間もPCを叩いてるスーツ姿の人、朝から賑やかなおばあちゃん…

僕は黒染めした髪色が抜けてきて、すっかり茶髪のおニイちゃんだ。

僕も人から見れば癌患者とは見えないだろう。

 

私の場合ではあるが、通院での抗癌剤治療の1日の大まかな流れは下記の通り。

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抗癌剤治療は、週1回の合計8回を原則行う。

私の場合の点滴スケジュールは下記の通り。

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 以下、使用薬剤について説明する。「」部分は国立がん研究センターがん情報サービス、がん治療に使われる主な薬より許可引用。

 

パクリタキセル 「この薬は、細胞障害薬という種類の薬です。その種類の中で「微小管阻害剤」と呼ばれるグループに属し、化学物質のタキサンを含んでいます。細胞分裂を阻害することにより、がん細胞の増殖を抑えます。」

 

カルボプラチン 「この薬は、細胞障害薬という種類の薬です。その種類の中で「白金製剤」と呼ばれるグループに属し、白金(プラチナ)を含んでいます。DNAに結合することによって、がん細胞の増殖を抑えます。」

 

セツキシマブ「この薬は下記の標的分子に作用する分子標的薬で、抗体薬(モノクローナル抗体)という種類の薬です。がん細胞の増殖に関わるEGFR(上皮増殖因子受容体)というタンパク質の働きを選択的に抑えます。 「標的分子:EGFR」」

 

 

採血、診察を終えていよいよ、1回目の抗癌剤治療。

通院治療センターの看護師さん達は大変慣れてらっしゃるようで、注射もあまり痛みがない。採血なら若い看護師さんの練習台となって社会に貢献するのも悪く無いが、抗癌剤の注射漏れなど想像したくもないのでベテランは嬉しい。

 

点滴が全て終わるまでに全部で4時間ほどかかる為、本でも読もうかと広げてみたが肘の所に長いサーフローが刺さっている為どうも気持ち悪い。腕をおろし伸ばし、目を閉じるとうとうととしてきたところを「ごめんなさい」という声で目が覚める。注射をしてくれた看護師さんがきた。注射漏れが無いかの確認と、心の状態の調査のような物を受けた。そのまま続けて薬剤師さんが来た。20代後半位の男性でニコニコとよく話してくれる。やはり雰囲気がいいと色々と話しやすく嬉しい。今日処方された飲み薬の説明と、近所の飯屋を教えてもらった。

 

その後ひとりになると、最初にいれるアレルギーどめが眠気を来すらしく、そのままうとうとと1時間ほど眠ってしまった。

 

目が覚めると口の中に違和感がある。歯科での麻酔に近い感覚で体験したことの無いようなものでは無い。

違和感を覚えつつお昼時のため、買っておいたメロンパンを出してくる。この病院の売店は、パン屋さんのパンを置いている為とても美味い。中でもメロンパンは看板商品でいつもこれを食べるのを楽しみにしていた。

おもむろに一口、「これは…?」味がしないのだ。口の中にあるのはグニグニとしたメロンパンの食感だけだ。もぐもぐと食い進めてみた、が味がわからないと腹が減っていても意外と食えないものだ。半分ほど食べてそれ以上の進行を放棄してしまった。

そのまま次はアイスコーヒーを飲むと…案の定風味はわかるが味がしない。

本当に歯科の麻酔が聞いてるような感じ。

こうなると食事も面白く無いのでまた布団を被って寝た。

 

初回は、大きな副作用も出ることなく 無事終了。

抗癌剤の後体温を測ると37.4℃と少しだけ上がっていたが、問題ないようなのでそのまま病院を後にした。

 

時刻は18時ごろ、昼ごはんを食べていないのでとても腹が減った。

抗癌剤をやると食欲が落ちるとか、匂いに敏感になるとか言われているが、少なくとも自分は上記の抗癌剤ではそのようなことはたった一度しか感じなかった。

食えるかわからないが、何となくマクドが目に止まったのでハンバーガーのセットをオーダーする。いつもより匂いがきつく感じるが、大したことはない。

ハンバーガーにかぶり付くとやっぱり味がわかりづらく、感覚としていつもの2割くらいの味覚だ。バンズや肉と言った一つ一つの味はわからないが、強いケチャップの味がここにいるよと主張する。少なくとも全く味のない飯ではない。

美味い。私は政治的活動に関与せずと誓った身だが、今日ばかりはアメリカ資本主義に万歳するのも辞さない覚悟である。

続いてポテトを食す。味はわからんが塩っっぽいことはわかる。どれだけ味が濃いのだこいつらは。続いてコーラー…は以外にもただの炭酸水だった。どうやら今は甘味が分かりづらいようだ。

 

その日は疲れていて家に帰るとすぐシャワーを浴びて21時ごろには寝てしまった。

意外にも1日目はあっけなく終わったが、軽いとはいえ副作用が早くも出たことでいよいよ戦いが始まったのだなと実感したのだった。

 

 

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