24歳でがんになった。~Return Match~

24歳にして突然の上咽頭癌ステージ4の宣告。その時私は〝がん患者〟になった。

副作用の吐き気。

2020/02/18、吐き気で目が覚める。乗り物酔いの胸が詰まるような感じが込み上げてくる。

抗がん剤(シスプラチン)投与から丁度1週間目、またかと思った。

というのも、前回の1クール目も投与後2、3日して一度は引いた吐き気が8日目に出ていたからだ。

 

看護師さんに相談してノバミンという吐き気どめを飲み床についた。

気分が悪い時は眠るのが一番だ、

いらぬ体力も使わずに済む。

 

しばらくして喉の渇きで目が覚める。

ペットボトルから水をコップに注ぎ飲むと何故か牛乳の味がする。

不思議に思いコップを覗き込んだが、透明の水だ。

 

最近口の中に出来たカンジダの影響か、放射線の影響かはわからないが、とにかく水の味が変わってしまった。面白いものだ。

とりあえずポカリの味はわかるので、当分はポカリで過ごそうと思う。

 

そんなイベントに見舞われながら、朝も昼も食べずにひたすら寝ていた。

 

午後、担当の看護学生がやってくる。

吐き気止めを飲んだおかげで随分と気分が良くなったため会話に応じる。

今日のテーマは「困っている事」らしい。

困っていることといえば沢山あるが、解決しない問題を学生にぶつけるのは面白くないだろう。

考えた結果「うがいの回数を増やすにはどうしたら良いか」という質問を私は投げかけ、看護学生は「トイレの時に同時にしよう」と答えを出してくれた。

私もそれは名案だなぁと笑った。

 

その日は人と会話している時意外ずっと寝て過ごした。

晩ご飯は食欲がない人用のメニューに変更したおかげで何とか食べられた。

 

2020/02/19、昨日と比べて随分気分は良くなった。

 

朝6時の検温で目が覚めて、久々に最上階へ富士山を見に行った。

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天気が良くてスカイツリーも良く見えた。

何度来ても思うが贅沢な場所だ。

 

その後何となく食欲がなくて朝ごはんは手をつけれずそのまま眠ってしまった。

 

9時ごろ放射線治療に呼ばれる。今日で20回目の放射線治療だ。

今日も放射線治療はスムーズに終わった。

全体で35回あるうちの20回目ともなると味がしない、飲み込みにくくなるなどの副作用が出てきて、普通のご飯を食べるのは難しいはずなのだが、幸運な事にまだ普通のご飯を食べれている。(味覚の衰えがあり工夫は必要だが)

 

首回りの放射線炎が厳しくなってきたので(と言っても赤みのある程度)今日からガーゼを巻く事となった。首をがっしりと覆ってしまうので少し邪魔臭い。

 

昼から体調が良いので久々に廊下を歩いた。

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往復200mの廊下をひたすら歩く。

 

久々だったので少し多めに4km歩いた。

点滴台が無くなったので歩行も軽やかだ!

運動するとやっぱり気持ちいい。

 

運動から戻ると晩ご飯が運ばれていた。

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そうめんはスッと食べれてありがたい。麺つゆも味がわかるし。

写真左上の大根の酢漬け(なますというらしい)もすごく美味しかった。

どうやら酢の味は良くわらるようだ。

 

酢と言えばちらし寿司やいなり寿司、巻き寿司と主食にする事も出来る。

これは料理が楽しみだ。

 

体調が良くなった為明日退院出来る事となった。

久々の退院で楽しみだ。

 

 

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