治療終了後、地元関西に戻っていたが経過観察のために2週間ぶりに関東にやってきた。
東京の方でも新型コロナウィルスが流行している。
公共交通機関を利用するのは恐いけれど、車やバイクを運転してこれる距離でもないので仕方なく利用した。
関西→関東への公共交通機関の選択肢としては、飛行機、新幹線、高速バスとあるが、私は三列シートの夜行バスを利用することにした。
他人と接触する時間は伸びるが、一度に接触する人数が一番少ないし、物理的な距離を取れると思ったからだ。
3列シートのバスは初めて乗ったんだけれど、思ってたよりうんと広い。
足はぐっと広げられるし、隣の席との感覚も40cm程ある。
この時期に利用する人も少ないらしく、幸い隣も後ろも客がおらず伸び伸びと利用出来た。
見た感じ、20代前半の利用者が多いようで新学期が始まるので東京に戻るのかなと思った。
途中立ち寄った滋賀のSA
恋人の聖地らしいが、独り身の私には虚しいだけだ。もう4月だと言うのに寒さが滲みる。
夜景に縁取られ琵琶湖のシルエットが見えるのが滋賀県らしい。
◯
夜行バスは早朝6時すきに東京駅に到着。
次は電車で移動だ、急がないと朝のラッシュが来てしまう。
最近買ったApple WatchのSuicaでスマートに改札を通り抜ける。
澄ました顔で改札を通り抜けてやったが、私の地元はコンクリの打ちっぱなしのホームがあるのみで、その上には汚い便所があるだけだ。
駅員はいないし自動改札なんて洒落たものはない。
東京サすごいところだナァと毎度の如く思いながら駅の中を進む。
梅田駅では「俺はここから出られず死ぬんだ」と毎回思う私だが、東京駅では何故かスムーズに移動出来た。
計画通り朝のラッシュを迎える前の山手線へ乗り込み秋葉原へ向かった。
◯
秋葉原駅へ着き乗り換えの為ホームを移動する。
何故か皆走るので次の電車が近いのかなと思い私も一緒に走ってみる。
ホームに着いてみると、次の電車まではあと5分もあるし、人数も少ないのでホームに並ぶわけでもない。
自衛隊で「5歩以上駆け足」と習ったが、大都会東京で働く企業戦士達も同じ教えを受けて通勤時も日々鍛錬しているのかもしれない。
せっかく東京まで来たのに例の感染症のせいで秋葉原観光も出来やしない。
秋葉原は私のような田舎者にとってはアニメオタクの街のイメージであるが、元は電気街。
私はコンピュータやガジェットが好きなので秋葉原は堪らない街なのだが今回は我慢だ…
都心から離れていく電車は空いていて、時間的にも余裕を持って最寄り駅に着けた。
バスは結構混んでいるようなのでここでも人混みを避けて徒歩で病院へ向かう。
運動にもなるし懐かしい街も見れて一石二鳥だ。
◯
病院へ着くと新型コロナウィルスの対策で、病院に入るもの全てに検温を実施していた。
体に触れずに測れる赤外線体温計でおでこの温度を測ったのだが、外気に晒され冷えた私のおでこの表面温度は〝35.2℃〟
「大丈夫ですね〜。」
私の体調は大丈夫だと思うが、このやり方は大丈夫じゃないと思う。
平熱より1℃ほど低く示された赤外線体温計で、37.5℃以上の人を弾こうとすれば実際は熱のある患者を見過ごしていると思うのだが…
そんな疑問を持ちながら採血へと進む。
毎度のことながらこの病院の採血は非常に混雑する。皆人混みを避けたいのは同じだが並ばねばならぬので仕方がない。
見た感じ4割程の看護師さんがN95マスクを着用していた。
続いて内科の診察、ここの先生もN95マスクを着用していた。
採血結果として大きな問題は無いらしいが、やはり白血球の数が少なく2000mm/µLしか無いらしい。
ゴロで正常値を思い出す…白組は予選から苦戦…白血球数(WBC)の基準値は4000~9000/µLだ、私の値は人の半分ほどで、かなり弱くなっていると思って良いだろう。
通りで満員電車に乗れば熱が出るわけだ。
最後に放射線科の診察。
鼻からファイバースコープを入れて喉を見てもらう。何度しても痛い。
喉の癌があった所は治療終了直後と変わらず綺麗なようでひとまず安心だ。
今回は特に大変なことも嫌な知らせを受ける事もなく、病院を後にした。
時間があるし観光に行きたいのが本音だが、せっかく癌治療を終えたのにコロナで死んだら面白くなさすぎる。
今日は大人しくホテルへと直帰して弁当でも食べて映画でも観ることにしようと思う。
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