今回は読者様よりアイデアをいただきまして、
自身の治療後のメンタルケアについて記述してみたいと思います。
アイデアをくださいました読者様ありがとうございます。
◯
癌なったストレスというものは大きい。
私たちがんサバイバーは何が怖くて怯えているのだろうか?
他の多くの怪我や病気と異なり、
癌は完治しないし、再発、転移する可能性がある。
もし再発すれば…その結果を想像する事が怖いのだと思う。
私の罹患した上咽頭癌の場合、手術が出来ない部位で放射線治療は基本的に一生に一回きり(同一部位では)のものなので、もし再発した場合は完治を目指す手は残されていない。(抗癌剤などを使い共に生きる方法を選択する事になると思う)
他人からの「治ったんだ」「完治したの?」という言葉に対して、苦笑いしているサバイバーは多いだろう。
ご存知の通り癌は完治しない、
5年経とうと10年経とうと、あるのは寛解という状態でしかないからだ。
寛解とは医学的には一時的もしくは永続的にがんが縮小または消失している状態を意味する言葉であるが、なぜ完治ではなくこのような表現が使われるかと言えば、癌は画像検査や採血検査等では姿が見えなくなっても、体のどこかに残っている可能性があるからだ。
だから、何年も経ってから再発する可能性がある。
その可能性に私たちは怯えているのだ。
(盛り上げましたが、普通はそれぞれの癌によって5年もしくは10年再発なければで寛解と言われ、それは一般的には(多分)完治で、一応の卒業はあると思います。)
◯
さて、ストレスの正体がわかったところで本題である。
私はそのような強烈なストレスからどのようにして自分を守っているのか?
病気をする前の私のモットーは、
「勝つまでやる、だから勝つ」「人に勝つより自分に勝て」の2つだった。
フルタイムで仕事をして、退勤後はジムに通い、家に帰れば日付が変わるまで勉強した。
一番のストレス発散はタバコで、たまに遊びに行けば浴びるほど酒を飲んだ。
結果与えられたものは
絞られた体、3つの国家資格、たくさんの友人
…そして癌。
ろくに眠らず飯も食わずに得られた結果は大きかったが、その代償も大きかった。
悔しかった。
あいつらが家でゲームしている間、俺の流した汗は涙は何だったんだ。
そんな時、あいつの言葉を思い出した。
「がんばらなくっていい…」
これは、大学時代の友人が留年がかかった試験前に俺に向かって残した言葉だった。
そいつは結局2年留年したまでは知っているが、その後音信不通になり退学したとも蒸発したとも言われている。
自分が勉強している間、親からもらった教科書代をパズ◯ラにつぎ込むような奴を横目にいいなぁと思っていた。
あれこそがヒトのあるべき姿、ストレスフリーな暮らしだったのだ。
20代半であるが、私はもう十分頑張った。
これからは程よく頑張って、テキトー生きる事にした。
若者よ、そんなことではいかん‼︎
人間というものはだなぁ…
うるさいわかってるよ。
みんながみんな、そういうだらしのない奴だと世界は終わってしまう。
青写真でもいいから、5年後10年後のイメージを持って理想に近付こうと努力すべきだよな。
でも、私には残された人生が5年か1年かもわからない。
それなら私はもう一つ資格をとるよりも、もう一箇所旅行に行きたい。
論文を書くのはもうやめて、夜風に吹かれバイクに乗りたい。
社会をよりよくすることも大切だが、私には私の人生を生きる権利がある。
という訳で、罹患した後の私の人生のモットーは有難い同期の言葉を貰って
「がんばらなくっていい」になった。
具体的にどう頑張らないかと言えば
・家事は手を抜けるところは抜く(ルンバ導入や惣菜購入など)
・筋トレはやりたい時やりたいだけやる
・勉強はやりたい時学びたい事を学ぶ
・睡眠優先、遊ぶより寝る
・やりたくない事はやらない
書き連ねてみると酷い人間だ
でも毎日仕事に行って、ひとりで家事している時点でめちゃくちゃ頑張っていると思う。世の中の求めるハードルが高すぎる。
みんなもっと自分を褒めて欲しいし、甘やかしていいと思う。
もちろん自身の体調や環境はどうであれ、仕事は手を抜けないのでそこは自分でも妥協しないようにしている。
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人生とはどうあるべきか考えてみると、意外とシンプルな事に気付く。
「後悔のない人生を歩みたい」
多分みんなそう思っているだろう。
それなのにみんな人生が後50年も60年も続く気がしているから、
やりたい事をいつかいつかとやろうとしない。
私だって実際は明日死ぬとは思っていないから、
仕事を続けるし、来年のカレンダーに予定をいれる。
でももし今日死ぬとしたら?と考えて、
〝なるべく〟後悔のない人生を歩めるようにする努力する事にした。
それは世界一周したいとかそういう規模の大きな話じゃない。
具体的には
・食べたい物を今日食べる
・下着は毎日綺麗な物を履く
・欲しいものは早く手に入れる(よう努力する)
・やりたい事はなるべく早く実現する
・会いたい人に会う
・家族に孝行する
小さなことではあるが、自分の中であぁしておけばという後悔を減らせるように過ごしている。
癌になって良かったと思う事はないが、
自分の人生の終わりを意識できるようになったのは良い事だと思う。
事故や災害で今日死ぬとは思ってもいなかったまま亡くなった人々を思うといたたまれない気持ちになる。
幸い私には残された時間がある。
それが1年か、5年か、はたまた10年か50年か分からないけれど、1日1日を楽しく暮らしたいと思う。
結論としては私の場合は
・頑張らない
・毎日後悔しないように生きる
この2点を考えて過ごしている。
正直、独り身だからこそ出来る生き方だとは思うし、
日々頑張っている方には何を言っているんだと冷ややかな目を向けられることもわかっている。
それでも私は大切にしたい、頑張らなくっていい日々を。
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