24歳でがんになった。~Return Match~

24歳にして突然の上咽頭癌ステージ4の宣告。その時私は〝がん患者〟になった。

夢のガレージライフとリターンマッチ

夢のガレージつき物件に引っ越した。

 

ずっと寮暮らしだったので、

バイク用にシャッター付きガレージを借りようと賃貸物件を見ていたら

たまたま車庫付きの古い一軒家を見つけてしまった。

 

それからの行動は早く、

数日後には見学してその場で決めてきた。

 

寮は家賃も安いし、職場も近い。

勢い余ったかな?と思ったが

「ガレージ付き一軒家になんて住まなければよかった」と思う事はないだろうという結論に至った。

 

仕事の合間に荷造りを済ませて、その月末には引っ越した。

 


愛車たちに囲まれて暮らす幸せ、

仕事を終えて日が暮れても作業ができる。

 

ガレージに憧れて引越ししたけれど、

もう一つよかった点は音を気にしなくて良いこと。

 

夜中でも洗濯機を回せるし、掃除機もかけられる。

朝からガレージでDIYをできるし暮らしやすい。

 

仕事を始めてからずっと、

近くに住み込んでいたので

通勤時間が出来ることを懸念していたが

結果としてはバイクや車で通勤する時間はリフレッシュとしてちょうどよかった。

 

これまでは気分の上がらない時など職場と寮の往復で一週間を終えることもあったが、

いやでも家から出なければならない環境に身を置いてよかった。

 

友人が病気の快気祝いに高級ホテルに連れて行ってくれた。

 

ずっと行こう、行こうと話していて

新型コロナが落ち着いていた6月にタイミングよく行くことが出来た。

 

美味しいご飯を食べて、部屋で酒を飲んで語らい贅沢な時間を過ごさせてもらった。

このホテルには大きなプールがついていて、数年ぶりに水に潜った。

 

僕はがんになってからずっと耳を水の中につけてはいけないと言われていたので

数年間湯船のの中でさえ顔をつけることも出来なかった。

もう出来ないと言われれば仕方がないなとは思っていたが、

僕は本当は水泳が好きで、社会人になってからも時々泳ぎに行くほどだった。

 

海を眺めてはもう随分泳いだじゃないかと自分を慰めてはいたが、ずっと潜りたかった。

 

数年ぶりに潜る水の中は透明で美しかった。

自分だけの世界、宇宙のようだと子供の頃を同じことを思った。

 

僕にとって最高のプレゼントになった。

ありがとう。

 

長期休暇を利用してツーリングに行った。

 

僕は計画を立てるのが苦手だ。

計画なんて立てても、裏切られるだけだ。

僕は川の流れのようにさらさらと流動的な人生で良いと思っている。

 

実際、長期休暇の前半は台風の影響ですっかり潰れてしまった。

しかし僕は天気にも期待していないのでそれでも良い。

元々フェリーの予約も何もない、流されるままだ。

台風が九州に上陸し関西の方も風が強くなって、こりゃまるまる長期休暇は潰れるなと思っていたのだが、あくる日目が冷めると台風が温帯低気圧に変わって消えていた。

 

こりゃいかんと思ってリュック一つ背負って旅に出た。

ずーっと紀伊半島を南に走り、色々な景色を見た。

 

昨日までの天気が嘘のように晴れやかで、雨の翌日ということもあって涼しくて気持ちよかった。

 

トコトコを走っているうちに最南端を抜けて和歌山と三重の県境まで来た。

その日は飛び込みで和室の古い温泉宿に泊まった。

一人で酒を飲んで、ぐっすりと寝た。

 

バイクと自分と、そんな語り合う時間が楽しい。

思い返せば泊まりがけのツーリングは癌がわかる数日前、2019年の九州のロングツーリングぶりだった。

 

この旅から帰って数日後、

がんが分かって身辺整理のためにバイクは売ってしまった。

バイクも距離も小さくなったけれど変わらず旅は面白い。

 

記念すべきリターンマッチとなったね。

 

それではまたこの辺で。

暑い日が続きますが皆さん体調にはお気をつけて。

 

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