24歳でがんになった。~Return Match~

24歳にして突然の上咽頭癌ステージ4の宣告。その時私は〝がん患者〟になった。

今日したいこと。

前の日の晩に調べたくもない事を調べたせいでろくに眠れなかった。

布団の中で今日は何をしようかと考える…

 

昨日調べた事が頭によぎる。

頸部リンパ節への転移の場合、外科的な手術を行えば声を失う事になるかもしれない。

そんなifを考えた時、思いついたのはカラオケに行きたいという事だった。

 

カラオケといえば古い友人達と年末はカラオケで馬鹿騒ぎするのが毎年の恒例だ。

ちなみに騒ぎすぎて緊急搬送されて数針縫った事もある。

(その件に関しては反省している。)

 

そのメンバーにLINEで帰省してる旨を伝え「今日カラオケに行きたい」と書き込んだ。

レスポンスは早く、その日の晩にカラオケに行ける事になった。

 

夕方、カラオケ屋で待っていると一番に来たのは10年来の付き合いになる真だった。

コイツには事情を話してあった。

「よう…大変な事なったなぁ。」

「全く、急でたまらんよ。」

「とりあえず一服して落ち着こう…む、流石に煙草はやめたか?」

「いや、今更な。」

「よーし、そう来なくっちゃ。」

そんな会話を交わしながら2人で喫煙所に行った。

 

しばらく煙草を吹かしてるとひとりふたりとメンバーが集まって来た。

 

急な事だったので皆何かを察していたようで、話は早かった。

1人がどのくらいで治るのかと尋ねた。

短ければ2ヶ月、長ければ半年位だと自分の考えを伝えた。

そいつはうまくいけばそれくらいかと言った。

その直後だ、「オイッ‼︎」っと真が叫んだ。

「そんな言い方すんなよ、失礼だろ…」

 

短い沈黙

 

怒られた奴はそんなつもりじゃと気まずそうに言った。

私もいや気にしてないんだと笑う。

真が申し訳なさそうに言った、「すまんすまん、気分転換にプリクラでも撮るか?」

「いいよ、もうそんな歳じゃないだろう?」

「いいじゃないか、最後の記念に。」

「最後って何だよ‼︎お前が結局一番失礼だよ‼︎」

ふざけた奴だが相変わらず笑いをとるのが上手かった。

怒鳴りからコイツのボケは始まっていたのだ…

おかげで大分笑わせてもらった。

 

集まった理由も理由なのでお通夜みたいな雰囲気にならないかと心配していたが、

カラオケが始まって見るといつも通りの馬鹿騒ぎだった。

 

カラオケが終わって真に家まで送ってもらった。

 

「じゃ、ありがとうナ」

「おーう、頑張れよぉ。まぁお前は死ぬようなタマじゃねぇよ」

根拠のない励ましをもらってその日は別れた。

 

よく知るメンバーと話して、笑って、良い気分転換になった。

泣いても笑っても時間は過ぎるから、笑っていたい。

 

さて、明日はPET。

一番重要な遠隔転移の有無がわかる検査だ。

遠隔転移がもしあれば…

 

戦うしか道はないんだと自分に言い聞かせ眠りについた。

 

 

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