2020/01/21より、放射線治療が始まった。
その週は火曜日始まりで、金曜日までの平日4回行った。
私は1回2Gyの35日、計70Gyを浴びる事になる。
まずは患者としての放射線治療の1日の流れから。
①治療室入室。
②シェル(固定具)が重なる部分は服を脱ぐ。
私の場合は上咽頭癌であり、頭から胸までシェルが被さる為上半身は裸である。
③寝台の上に乗る。
④シェルを装着される。
⑤10分ほど動かずにじっとしておく。
⑥終了、着替えて退出。
患者としては何とも簡単だ。
放射線治療に関わる職種として、放射線腫瘍医、診療放射線技師、医学物理士、看護師が代表的だが、放射線治療の時に患者の目の前にいるのは大体診療放射線技師である。
放射線治療と言うと、一般的にはリニアック(直線加速器)をさし、これは体外照射(体の外から患部に放射線をあてる)で行われる。
治療で浴びる放射線の量ならば、すぐには副作用が出ない為に浴びている時は痛みも痒みもないので安心して欲しい。
副作用が起こる部位も、基本的には放射線が当たる所のみだ。(0ではない)
CTやXP(レントゲン)を撮るイメージと全く同じと思って良いだろう。
唯一違いがあるとすれば、その線量域では積もり積もって副作用が出ると言う事だ。
しかし、外科的にメスを入れれば傷跡が残るのと同じで、これは仕方がない。
実は、放射線治療と言うものは必ず癌を倒せる。
(二次癌の可能性などもあるが原発巣(げんぱつそう)に関しては)
それはガンガン放射線を当てて癌を殺せばいいだけの話だからだ。
レーザーで燃やす様なイメージが簡単だろう。
しかし、実際にはそうは行かない。
なぜならば、業界で言う「癌は死んだがヒトも死んだ」と言う状況になり得るからだ。
つまり放射線治療と言うものは、癌に出来るだけのダメージを与えつつ、人体にはなるべく副作用が少なければ良いと言う様になり、副作用との戦いになる。
副作用が大切だとわかったとことろでこれを理解していきたい。
放射線の影響と言うものは大きく2つと2つの4つの分類がある。
まず被爆後90日以内に起こる急性影響と、90日以降に起こる晩発影響に別れる。
さらに、この線量を越えると必ずこの障害が出ますよと言う確定的影響と、浴びれば浴びるほど障害の発生頻度が増える確率的影響がある。
これらの副作用は、転んだ時の怪我の様に治るものもあれば、一生治らない傷になることもある。
確定的影響はどれだけの線量で副作用が出始めるかわかりやすい為対策がしやすい。
また、晩発的影響は不可逆的(戻らない)影響の為に重要である。
具体的には白内障、肺線維症、放射線脊髄炎、皮膚潰瘍などがあげられる。
本来は全く傷跡ができないのが理想ではあるが、実際には先ほど例に挙げた様に傷跡ができるのは仕方がない。だからその傷跡のつき方が重要で、副作用が治るもの(脱毛、皮膚紅斑など)で済むならば許容され、治らないものはなるべく許されるべきではないと言う考えになる。
私の場合は治療専門医から治らない副作用として、視神経の被曝による視力の低下の可能性のみ伝えられた。(視神経の耐用線量は65Gyである。)
しかし、個人的には唾液腺機能の低下、声のかすれも危惧している。
他に味覚低下、火傷(皮膚)などあげればキリはないが、治る副作用はどうでもいい。
残る副作用もあるだろうが、癌を殺す為には多少の副作用は仕方がないと言うのが本音だ…
予め作っておいたPEG(胃ろう)だが、おそらく約1ヶ月以降(15回目程度)から徐々に使用していく事になるだろうとの事だった。
せっかく作ったのだから、使わないと勿体無い。(笑)
放射線治療よりも先行して行われたシスプラチンの副作用の影響が大きすぎて、特に今の所放射線治療の副作用に関して記せる事がなく申し訳ない。
むしろ、放射線の影響はじわりじわりと積み重なる為、面白いのは今後の記事になるだろう。
私は抗癌剤などは専門外であるが、今後、放射線治療関係の事は積極的に記事にできればと思う。
端くれといえど専門家で、言葉がつい難しくなってしまう。
もし、放射線治療に関して質問やこう言う記事があればと言う物があれば是非コメントいただきたい。
個人的に一般向けとしてわかりやすいと思った本。
図解多く、最新の放射線治療のテクノロジーについて触れています。
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