24歳でがんになった。~Return Match~

24歳にして突然の上咽頭癌ステージ4の宣告。その時私は〝がん患者〟になった。

はじめてのおつかい

2020/07/24

昨日に引き続き理学療法士さんが部屋に来てくれて、リハビリが行われた。

 

装具を外し膝を曲げ伸ばししてもらうが、やはり痛くてストップをかけてしまう。

私の現在の可動域は45°位とのこと、少しずつ曲げられる様に頑張ろう。

 

次にベッドから歩行器への移動の訓練をした。

一人でやってみてくださいと言われ、両手で患側(怪我してる方)の脚を持ち引きずり移動を試みる…

「いてて!やっぱりひとりでは無理ですわ…」

決して、理学療法士さんが美人だったから甘えたわけではない。

手術前は粉砕骨折していてもこれが出来たのに、手術後は傷口が痛むのかこの方法が取れなくなってしまったのだ。

 

すると理学療法士さんは健側(健康な方)の足首の上に、患側の足首を乗せて滑らせてみてくださいと指示した。(脚をクロスするようなイメージ)

 

するとどうだろう、スルスルとベッドの下に脚を運び下ろす事が出来た!

脚の力が手よりも大きい事が関係するのか、そのテクニックに感動した。

 

ベッドの下に脚を下ろして仕舞えばこっちのものだ。健側の脚を踏ん張り両手を使って歩行器にしがみつき立ち上がった。

 

半ば浮いてるような状態で1歩ずつ歩く。

歩行器での歩行は昨日もしていたが、今日は患側も使って歩く様に指示された。

ちなみに装具をつけているので、患側の膝は曲がらない様に固定されている。

 

怖いが少しずつ患側に力をかけてみる…

痛い!足首がうまく動かない!

「足首は怪我してないのに、どうして…」

先生曰く、患側の筋肉を全く動かしていなかったので強張っている様な状態らしい。

少しずつ動かして慣らしていこうとのことだった。

痛みを堪えながら歩いていると、段々と筋肉がほぐれてきたようだ。

痛いが少し気持ち良いような…なんだこれ。

あっ、わかったぞ!

「先生、これ走った後の筋肉痛みたいですわ!気持ち良い痛みです!」

先生はニコリと笑っていた。

…心底どうでもいい報告をして、理学療法士さんとのデートは終わった。

 

理学療法士さんとの心の距離は縮まらなかったが、引き換えに歩行器ありでひとりで歩く許可が出た。

 

積極的に歩けとのお達しが出たので、フロアの中をよちよちとひとりで歩き回った。

点滴を押してる婆さんの方がよっぽど早い。

抜かれ様「すっげぇ!憧れるなぁ。」と煽ってやると、若いんだから頑張れと返された。

婆さんの方が上手だ。

 

久々に歩いて談話室まで来れたので、コーヒーを口にする事ができた。

酒もタバコもやめた今、これが一番ホッとする。

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入院している病院はこの辺ではかなり高い建物だ。

見晴らしがよく、和歌山城や県立美術館が見えた。

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こうしてゆっくりと地元を眺めてると、この辺で過ごした学生時代を思い出す。

田舎で大した取り柄もない街だけど、それでも僕の生まれ育った地元だ。

18歳で出たきりだけど、たまには目を向けなきゃなと思ったりした。

 

病院の目の前は大通り、連休という事もあってかバイクの排気音が近付いては遠のいていく…

 

他人の心配をしてる場合でもないのに、事故だけは気を付けろよ〜なんて思ったりした。

 

 

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