24歳でがんになった。~Return Match~

24歳にして突然の上咽頭癌ステージ4の宣告。その時私は〝がん患者〟になった。

一時退院。

2020/02/01

既に次回の入院が決まってはいるが退院の日。

 

前回の退院予定日は、気分不良で泣く泣く延期となっていたので待ち望んだ日だった。

システム上、朝一出るわけには行かないようで10時にならねば退院できない。

その日もいつもと変わらぬように朝6時に起床した。

朝の間、私は決まってすることがある。

その日も私は何階分という階段を上り、最上階の廊下にたどり着いた。

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この時間、最上階は誰も人がいない。

自分だけの静かな世界…

 

当たり前なのだが、陽というものはゆっくりと登ってくる。

日の出前の40分間、写真家の間ではマジックアワーと呼ばれ一番景色が美しく変化していく時間だ。

 

窓の外、忙しそうに走る車を眺めているとこの窓一つに「普通の暮らし」をしている人との境界を感じる。なんだが、自分が別の世界から社会を見ているような感覚になる。

(その正体の実際は、病人というよりかは仕事を休んだニート状態にあるだろう。)

 

夢中になっていると刻々と景色は写りゆき、あっという間に陽が登った。

 

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その日はとてもいい天気で、富士山がよく見てた。

病院なんてずっといたい所ではないけれど、この眺めは毎日でも見ていたい。

マチュアではあるが写真家の私にとっては最高のシュチエーションだ。

 

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そして入院19日目にしてスカイツリーも見れる事に気付いた。

望遠のカメラで撮影すればこのサイズだが、人の目ではかなり小さい。

 

朝日が登った頃に病棟に戻り、いそいそと荷物をまとめた。

19日暮らそうとも限られたスペースであるから散らかしようもなく直ぐにまとまった。

 

それから8時にご飯を食べて10時前、母が迎えに来てくれた。

お世話になった看護師さんに「元気で戻ってきてください」と言われたのだが、「元気なら戻ってこなくて良くない…?」と言うとそれはそうですね…と困惑してしまっていた。

私は我ながら自分を面倒な男だと思った。

 

荷物もあったので治療のために借りているウィークリーマンションにそのまま帰宅。

八畳ほどの小さな空間に、私と母の二人で暮らしている。

扉を開ける時「驚くと思うよ」と母はいった。

 

扉を開けて目に飛び込んできたのは匿名のプレゼントの数々だった。

母は誰が送ってきてくれているのか何度説明しても良くわかっていないようだったが、

「思ったより世の中にはいい人がたくさんいる」と関心していた。

(私も人々の支えの中でそれを痛感している。)

 

お昼ご飯に、母親がかしわバター丼を作ってくれていた。

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かしわバター丼というものは私が学生時代を過ごした香川のB級グルメで、それを食べたいが関東にないといったのを母は覚えてくれていたようだった。

母はそれを食べたことがないので「食べたことがないものを再現するのは難しい」と言っていたが、結構いい感じに再現できていて私は大満足であった。

 

こうして香川のご飯を食べていると、香川でご飯を食べたくなってきた。

有名なうどんはもちろん、香川には美味い物がたくさんあるのだ。

いずれ香川に上陸し、ぜひブログにまとめるとしよう。

 

その日はゆっくりと過ごし、夜は食べたかったピザをとった。

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病院食に慣れた体にジャンキーな味が染み渡った。

 

02/02。

入院生活の癖で朝早くに目が覚めた。

二度寝してやろうかと思ったが、いい習慣を壊してはいけないと布団から出た。

朝、母親がスムージーを勧めてくれた。

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緑色で一見するとNo Thank youと言いたくなったのだが、体にいいからと勧められて飲んでみる。意外にも抹茶のような味で、体にいいと言われれば美味いと思えた。

母は体にいいから毎日飲もうねと言っていて、その優しさは嬉しいのだが納豆とか混ぜたりしないか心配である。体に良いものはまずいから…

 

その後、いい天気なので歩いて散歩に出た。

入院中は日に意識しても1キロほどしか歩けていなかっただろうから、その分を取り戻さねばならない。


今日の目的地は近所の自転車屋さん。

すぐに始める訳ではないが、新しい趣味として自転車を始めようと思っての偵察だ。

これまでの田舎の自動車社会のドアからドアへ移動するような生活を見直し、健康的な生活をするためには自転車は必須であろう。

色々と拝見しなんとなくの相場を掴んで自転車屋さんを後にした。

 

その後、また入院生活で必要になる衣服を仕入れにワークマンに向かった。

お洒落着でなければワークマンで十分である。最近はアウトドアやスポーツ用の服も売っているので面白い。しかし、なぜワークマンのデザインは一つ余計なのだろう。

シンプルisベストだと思うのだが…

 

ワークマンを後にし、トコトコと歩いていると日差しが暑くなってきてジャンパーを脱いだ。そうなると私はフリース 一枚である。

2月だというのに今年の冬は暖か過ぎるなと感じた。

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家に帰宅した後、お昼に食べたかったあるものを作った。

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辛ラーメン〟である。

 

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入院中、ふとこれが食いたくなって食いたくて食いたくて仕方がなかった。

その話を友人にすると「辛ラーメンには発がん性物質が含まれているんだぞ」なんて抜かす物だから「俺はもうなっとるから大丈夫」と言い返してやった。

 

普通に考えると今の私の喉に刺激物は良くないと思われるのだが、私は普通に考える事をしないので食べてしまうのである。つまり阿保だ。

 

とは言え、流石にそのまま食べるのはあまりにも喉に優しくないのではないかと考えた結果、卵を二つ落としてやる事で解決した。

豆腐を入れたのもかなりクリーミーになって良かった。

喉の癌子も、唐辛子の登場にはマジかとさぞびっくりした事だろう。

お前の思い通りには私はならんのだ。

 

せっかく退院したが、世間で話題の新型肺炎が少し怖く人混みに出るのは避けたい。

あえて日曜日に出る理由もないかと思い、今日の午後は家で本を読む事にした。

 

しばらくしてインターホンがなる。

プレゼントが届いたのだ…‼︎

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実は、入院しているうちにプレゼントが届き始めたので私の手で受け取るのはこれが初めてである。

 

一つは凛子(仮名)さんからで、欲しかった無線式イヤホンだった‼︎

ちょうど先代のイヤホンが壊れてしまって、次の入院までには買わねばと思っていたのである。

入院生活はインドアな趣味しかすることがないし、相部屋なので何をするときもずっとイヤホンを身に付けていた。(具体的にはいびきやTVに悩まされる。相部屋なのでこちらが対策する必要がある。)

これはとても嬉しいサプライズだった。凛子さんありがとうございます‼︎

 

もう一つはポカリスウェットで匿名の方から、

もう一つは桃味のいろはすSNSの友人のありすちゃんからだった。

入院で行ったシスプラチン(抗癌剤)の治療は腎臓への負荷が大きく、それを避ける為にはなるべく多くの水分をとり尿を出す必要があった。

そのため入院時は毎日3ℓ分の水分(ジュース含めて)を売店で買っていたので積み重なり結構な出費になっていた。

だから、このプレゼントはすごく嬉しい‼︎

匿名さん、ありすさんありがとうございます‼︎

 

晩飯にずっとしたいと思っていた鍋をした。

 

癌治療を始めた11月から今まで、ずっと鍋をしていなかった。

 

治療の為に千葉に来て、部屋に備え付けのガスコンロしかなく諦めていたが、

以前広島の匿名さんから送っていただいだIHのおかげでそれが叶ったのだった。

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やっぱり冬は鍋だなぁ、とても温まって良い気分だった。

 

それにいただいたこのIH、とても高性能である。

ボロい寮に帰ったら、ボロいガス台を使わずこれで調理しようと思った。

体の事を考えると少し料理も頑張らねばなるまい…しかし、良い道具があれば頑張ってみようかと言う気も起こると言う物だ。

いや、がんばらねばならない。

 

料理は嫌いじゃないし、本も買ったし頑張ろうっと。

ちなみに買った本はこれ。

 

最新版 抗がん剤・放射線治療を乗り切り、元気いっぱいにする食事116

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  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: 主婦の友社
  • 発売日: 2019/09/13
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

飲み込みにくいとか食欲不振とかその時の症状べつにレシピが乗ってるので使いやすそう。

こういうのって特殊なご飯かなと思っていたけどかなり普通のご飯ばかりで家族と一緒でも当然大丈夫って感じだった。

すぐにでも取り入れて行けそうな感じの本で買って良かったなと思った。

 

明日からまた平日で放射線治療が始まる。

朝早いので日付が変わる前には眠らねばならない。

皆さんのおかげで今日も良い日だった。おやすみなさい。

 

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