24歳でがんになった。~Return Match~

24歳にして突然の上咽頭癌ステージ4の宣告。その時私は〝がん患者〟になった。

鬼は外

今日も朝と呼べる時間に目が覚めた。

入院生活の間は毎日6時に看護師さんが来る度に、する事もないのに寝かしてくれやと思っていたが、おかげでいいリズムを身につける事が出来たようだ。

 

母の作ったスムージーを飲み干して放射線治療に行くための支度をする。

治療の為に借りている部屋から病院までは歩いて40分ほどかかる。(歩く距離は3km位だと思われる。)

 

もちろん、公共交通機関はあるし車という選択肢もある。

しかし体力を維持するためにも私は歩けるときは歩く事にしていた。

 

9時、部屋をでる。

今日もいい天気で冬にしては暖かいのだが、やはり冬。

寒いと胃瘻の部分がうずくのでどうも不快だ。

 

先日匿名さんよりいただいたイヤホンを早速使わせていただいた。

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ウォーキングの時に音楽があると長い道のりも苦で無くなる。

完全分離式のイヤホンを初めて使ったのだが、煩わしさがなくてつけていないような感覚だ。(そして執筆中の今も使用している。とても気に入りましたありがとうございます‼︎)

 

私が普段履いているのはアメ横で2千円で買ったReebokのスニーカーだが、私はこれで92kmを走破している。

 100kmウォーク…24時間で100kmを歩くというという地獄のイベントなのだが、私は昨年タイムオーバーでこれを完走できなかった。

その為リベンジを目標にしている。

この状態になっても運動を続けているのは、そういったこれからの目標へと繋がる意味もあるのだ。

私にとってがん治療は通過点でしかなく、その先の事を色々と考えている。

 

ジャンパーを羽織っているとすっかり汗ばんでしまうほど暑い。

40分ほど歩き今日も病院にたどり着いた。

 

放射線治療は今日も15分ほどで終わり、また私は帰路についた。

 

こうして縁もゆかりもなかった千葉の街を歩いている事にも違和感を感じなくなった。

私が今住んでいる街は10年程前に出来た路線がきっかけで開発が進んだ街であるが、とても住みやすい。

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駅近くのマンションの立ち並ぶ通りはとても綺麗だ。

木々が立ち並び至る所に防犯カメラがある。

その通りの中には保育園もあるし小さな食堂もある。

この辺のマンションには〝シェアオフィス〟とやらもあるそうだ。

 

都会は洗礼されている様にいつも感じるが、私の生まれ育った街も素晴らしかった。

電車は30分に一本で、徒歩圏内にコンビニはない。

家の前の道は近所のクソガキが採ったザリガニやカエルで遊び、バラバラになって放置されている。

あまりにも酷いので叱ってやるのだが、このへんでそのような〝指導〟を行なうと即通報案件だろう。

自分で自分の田舎を散々馬鹿にするが、田舎で米を作る人がいないと都会のにんげんも餓死してしまうんだぞと思い猛省する。

 

またすっかり汗ばみ家に帰った。

往復すると良い運動になる。f:id:garnet1994:20200203204749j:plain

腹が減ったのですぐに食べられるレトルトカレーを開けてみたのだが、これが美味かった。

 

以前は一つ60円ほどの具なしカレーを食べていた私には衝撃的だった。

何でもお金を出せば良くなるとは思いたくはないが、値段と旨さは比例の関係にあると改めて実感した。

 

それから、職場のバイク仲間である牧野さんから電話をもらった。

牧野さんは頼れる兄貴というような感じの方で、病気がわかってからずっとメールで相手をしていただいている。

メールはずっとしていたが、やっぱり声を聞いて話すとまた面白い。

物理的な距離があってもこうして話せるのだがら科学には感謝だ。

僕のこと、バイクの話をした。

好きな物の話を趣味の会う人とするのってやっぱり楽しい。

早く治療を終えて、牧野さん達とツーリングに行きたい物である。

 

電話を終えてボケーっとしていると、インターホンがなった。

匿名さんからホットサンドメーカーが届いたのだった‼︎

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SNSでこのホットサンドメーカーで色々な料理を作る動画をみて欲しかったのだ。

匿名さんありがとうございます!!

何事も基本からが大切なので、まずは明日の朝食にホットサンドを焼いてみる事としよう。

 

治療中は好きだったキャンプに行けないが、こういったもので調理をするとアウトドアみたいで気分が上がる。

実用的でとても嬉しいプレゼントでした。

匿名さん、ありがとうございます。

 

して私は、連日のプレゼントを大変嬉しく思いつつ、

人の好意に甘んじ与えてもらうばかりで、人に何かを与えられているのだろうかと少し不安に思ったりもする。

私にはとびっきりの笑顔もないし、笑わせられるような文才も無い。せめて美少女ならエッチな写真でもブログに載せるのだが、ハゲた頭の酷い顔しか持ち合わせていない。

今はただ、この病気と過ごす日々を出来るだけ多くの人に発信することが使命と言うことにしよう。

 

昼過ぎ、母親がみつけた〝過疎ったショッピングモール〟に向かう。

今の時期、健常者でも新形肺炎やインフルエンザといった感染症が怖いのに、免疫力が低下しすぐに高熱を出してしまう私は要注意なのだ。

というわけで人混みを避けてあえて過疎ったショッピングモールに行った。

 

つくなり母親が、面白いものがあるのと私を誘導する。

 

目に飛び込んできたのは巨大なマグカップだった。

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物が大きくなったのか、はたまた自分が小さくなったのか。

私は治療の疲れからついに精神的にまいってしまったのではないかと一瞬思ったが、どうやら現実のようだ。

 

さらに進むと大きなカルピスやドーナッツなどがあった。

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どうやら不思議の国のアリスをモチーフにしているようだ。

 実際目にすると結構衝撃が強いもので、笑えるものだった。

 

トヨタが店舗を出していて、ちょうど気になってたRAV4を見れた。

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車とかバイクって、建物の中でみると余計に大きく見える。

もちろん新車を買うようなお金はないので、ただ眺めるだけなんだけど。(笑)

 

それからショッピングモールの白ヤギ珈琲という店でお茶をした。

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味覚がやっぱりおかしくて、甘いものは甘いのだけどどうも違和感がある…

治療が終わるまでの間は悪化していく一方で、「今日が一番良い日」なので大切にせねばならない。

 

その後、スーパーでホットサンドメーカーの具材を買った。

明日のお昼にでも作ろうと思っているのだが、定番の具材以外も買ってみたので楽しみである。

 

 それから向かいのアウトドアショップに行った。

スポーツショップと思ったのだがなんと一階から三階まで全てアウトドア、登山用品のお店。

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一階だけでもかなり見応えがある。

 

今ドラマをしてる「ゆるキャン」のセットがあった。コレ、ドラマの撮影で実際に使われたものらしい。

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私もキャンプ好きなので当然観ている。思わぬところで出逢ったのでテンションが上がった。

 

かなり広く一階部分しか見る時間がなかったが、近いので後日リベンジしようと思う。

アウトドア好きには堪らないお店だった。

 

タイトルにもしたように、今日は節分。

体に鬼を飼っているもんで、追い出す為にも行事には積極的に参加しておかねばならないだろう。

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肝心の恵方巻を奥に配置して撮影するという痛恨のミス。

2020年の恵方巻の方角は西南西らしい。スマホで確認してその方角にもぐもぐと食べた。

 

そういえば職場の病院の方でも巻き寿司が出たらしい。

イベント食は季節感を感じる大きなポイントなので重要だろう。

自分が患者となって入院した経験からその大切さを痛感する。

 

豆まきもきちんとしたのでさっさと私の中の鬼には退去願いたいものである。

 

 

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