連休中の2020年8月9日、一人暮らししている町に帰ってきた。
と言うのも、連休明けの8月11日から復職する事になっているからだ。
私の働いている町と、療養中に住んでいた地元は100キロ以上離れている。
私の左足はまだ動かないので、家族の車にのせてもらって運ばれて行った。
世間はお盆休みなのでどうかと思ったがあまり混んでおらずスムーズについた。
◯
部屋を開けて恐る恐る中に入る。
半年以上開けていなかった部屋は埃っぽく、裸足で踏み入れた事を後悔した。
まずはこの環境をどうにかせねばまた体を壊してしまう。
しかし、私は片足が曲がらないので拭き掃除もできない。
イメージとしては常にコサックダンスの足の人なので、立つか座るかしかできないのだ。
いつも通り条件付きでフリーイラストを公開しているイラスト屋さんから拝借したが、コサックダンスの人のイラストまであるとは流石である。
と言うわけで私は軽作業をさせてもらい、付き添ってくれた母と姉が掃除をしてくれた。家族の優しさが染みる。
バタバタを家族が掃除をしてくれた後、お昼はデリバリーで弁当をいただいた。
その後家族は私のお使いで買い物に出かけ、ぼろ家に私ひとりが取り残された。
昼下がりの生温い風が吹き込み、チリンと風鈴が音を立てる。
病気をするまではずっとひとり暮らしだったので元に戻っただけではあるのだが、治療中、療養中はずっと家族がそばにいてくれた。
ずっと甘えている訳にもいかないが、これからまた一人暮らしかと思うと少し寂しい気持ちになった。
夕方、家族を見送った後ひとりで晩ご飯を支度した。
今日は初日で惣菜の弁当を用意してくれていたので楽だった。
寂しさを紛らわせようとくだらないバラエティ番組を大声で流しながら食べた。
「ご飯は楽しく」は癌に罹患した後の私の新しいルールの一つでもあった。
◯
翌日8月11日
自力で買い物に行けるか調べておこうとバスでスーパーに向かう事にした。
普段はそれほど遠くないバス停もこの脚では遠く感じる、途中信号がない横断歩道を渡るのが怖かった。
いざバスに乗り込んだが、膝が曲がらないので座ると御行儀が悪く見えてしまう。
固定具があれば見た目から怪我人なので良いが、それを付けていない今の見た目は健常者だ。揺れるバスの中仕方なく立っていた。
◯
バスを降りて灼熱の陽の中脚を引きずりながらスーパーに辿り着いた。
タバコや酒をやめて外食を控えている今、スーパーで買うものは体に良いもの食べたいものを妥協せず買っている。
今日は少し贅沢をしてお高めのアイスコーヒーを買った。
今まではとにかく安いものを買っていたが、食べる事を楽しみにするとスーパーも楽しい。重くなったリュックを背負ってまたバスで帰った。
バスを降りるとまた脚を引きずり歩かねばならない、それは辛いのだがこの脚の重さは毎日登山をしているみたいで楽しいなと少し思った。
何事だって考え方だ。
◯
冷蔵庫に買ってきたものをつめるて見渡すと、野菜や肉があって華やかで気持ちが良かった。
一年前の冷蔵庫の写真を見ると、そりゃ体を壊すよと言いたくなった。
今日は下手くそながらゴーヤチャンプルーを作った。
クックパッドと言う手順書を見ればそれなりの味にできるな。
ちなみに病気になる前のご飯の一枚がこれである、手抜きを通り過ぎてもはや洗礼された美しさすら感じてしまうな。
食事が体を作るのだから、きちんと食べないとダメだな。
また手を抜くとまずいのでモチベーションを保つ為にもブログに定期的にアップしていこう。
◯
明日からはいよいよ復職だ。
癌の事よりも引きずる脚の方が問題だが、なるようになるだろう。
復職は〝癌になる前の生活〟に近づく第一歩であるのでとても嬉しい。
完璧な仕事をするのは当然だが、自分の体や心にストレスを与えないように注意しよう。まずは自分に与えられた仕事の一つ一つを丁寧にこなそうと思う。
ここまで支えてくれた皆様にもとても感謝しています。
仕事も始まり忙しくなるかと思いますが、週末にはまた記事書ければなと思っています。一つ新しいスタートとなりますのでこれからも応援よろしくお願いします。
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